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トピックス 2022.06.28

[知能機械工学科]江頭 竜教授 本来の空間平均的なボイド率を計測可能な ボイド率計測装置について特許を取得

【特許番号】第7072269号  【登録日】2022年5月12日
【発明の名称】ボイド率計測装置およびボイド率計測方法
【発明者】河村 良行、江頭 竜

従来技術の課題・問題点

従来、ボイド率を計測する装置として最も一般的に用いられているものは導電式です。導電式とは、液体の導電率が気体よりも高いことを利用した方法です。具体的には、流れの中に設置した2つの電極のうちの小さい方の電極が気体に接触しているか液体に接触しているかによって電極間の電気抵抗が変化することを利用します。
また、ボイド率を計測する装置として光学式のものも知られています。光学式では、光ファイバーグラス束からなるプローブを気泡流の中に差し込み、気相と液相の屈折率の違いを利用して光学的に気液の存否を検出するものです。
これら従来の導電式および光学式では、流れの中に電極やプローブを差し込むため、流れの状態を変化させてしまうことになります。また、導電式は、非導電性の流体には使用することができないという問題があります。

本発明の効果・特長

本発明によれば、照射部から照射される圧力波が微細気泡を含む流体中を伝播する速度を測定するため、流体が導電性であるか非導電性であるかを問わず計測することが可能であり、本来の空間平均的なボイド率を計測することが可能となります。また、流体の流れに影響を与えるような電極やプローブ等を差し込む必要がなく、流れに影響を与えないでボイド率を計測することができます。

本発明の概要

下図において、本発明の実施の形態におけるボイド率計測装置は、液体F1中に気体F2を微細気泡として含む流体(気液混相流)F中に圧力波としての音波Pを照射する照射部と、照射部と所定の距離Lを隔てて配置され、照射部から照射された音波Pを検知する検知部と、音波Pの伝播速度cからボイド率αを算出する演算部とを有します。ボイド率αは、流体(気液混相流)F中に占める気体F2の体積の割合(比率)です。
また、ボイド率計測装置は、照射部から照射する音波Pの信号を発生する信号発生器と、照射部から照射された音波Pが検知部に到達するまでの時間Tを測定する信号測定器とを有します。
照射部および検知部としては、圧電素子(ピエゾ素子)を使用することができます。2つの圧電素子を測定対象である流体Fを挟んで、1つを送信用として、もう1つを受信用として対面配置することで、照射部および検知部を構成しています。
信号発生器としては、ファンクションジェネレータ(関数電圧発生器)を使用することができます。信号発生器で生成した音波Pの信号は、照射部および信号測定器に入力され、照射部から音波Pが検知部へ向かって照射されます。音波Pの信号としては、例えばステップ状の信号(矩形波)を使用することができます。照射部から照射された音波Pは流体F内を伝播して検知部へ到達します。

信号測定器としては、オシロスコープを使用することができます。信号測定器では、信号発生器から入力された音波Pの信号と、流体F内を伝播して検知部により検知された音波Pの信号とから、照射部から照射された音波Pが距離Lを経て検知部に到達するまでの時間Tを測定します。
演算部としては、パーソナルコンピュータを使用することができます。演算部では、信号測定器により測定した時間Tと前述の距離Lとから音波Pの伝播速度(音速)c=L/Tを算出し、この音速cからボイド率αを算出します。
ここで、音速c[m/s]とボイド率αとの関係から以下の計算式によりボイド率αが求められます。

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