FIT 福岡工業大学大学院

研究紹介

【研究NOW!】脳の機能解明からAIが進化へ

よりダイナミックに。世界に通ずるAIを 山口研究室

人間の脳の神経を模したニューラルネットワークが深層化したディープラーニングがAI研究に革新の流れをもたらし、第3次AIブームの真っただ中です。山口研究室は人間の脳機能の解明からAIを進化させる研究に取り組んでいます。脳がどのように情報を伝達し、処理しているのか?その計算原理を解明することはAIをより柔軟かつダイナミックに進化させる可能性につながっています。山口研究室ではコンピュータを用いた数理的研究によって脳の情報処理機構を解明し、AIに応用することを目指して研究に取り組んでいます。具体的には

  • 脳の機能分化に関する数理モデル研究
  • リザバー計算モデルの情報処理・人工知能とカオス
  • 神経回路における振動ダイナミクスの計算論的役割

…等の研究を進めており、脳機能の謎を解明することで世界に通用するAIを 作ることを目指して研究に取り組んでいます。

脳の「機能分化」を新手法で分析

人間の脳は最小単位の神経であるニューロンが視覚や聴覚などの信号を伝達することで機能しています。脳はニューロンのネットワークが特定の信号に反応を示すよう分化して機能しており、この「機能分化」を解明することは脳の情報処理の仕組みを明らかにすることにつながります。
ただ、膨大な数のニューロンのネットワークの信号伝達の有無や強弱を決定することには多大な時間が必要になります。山口研究室ではニューロン間の接続構造を模したモデルであるリザバー計算モデルを遺伝的アルゴリズムによる探索や「Hessian-Free法」により学習させ、機能分化させることにより、学習精度や安定性を向上する研究を行っています。

★本研究の論文は第20回情報科学技術フォーラム (FIT 2021)において「論文賞」を受賞しています。

深層ニューラルネットにおけるカオス的ダイナミクスの生成機構を解明

ニューロンは一つ一つがマイクロプロセッサのような情報処理能力を持ち、人の意思はこれらのニューロンネットワークの情報伝達の組み合わせによって生じています。膨大な数の神経細胞や神経ネットワークの活動の中にはカオス(決定論的であるにもかかわらず解曲線が複雑で、その結果を予測することが困難な現象)が現れることがあります。
山口研究室では深層ニューラルネットにおいてカオス的ダイナミクスが生成する機構を解明し、カオス的性質を利用した深層学習手法を提案・発展させる研究を行っています。これらの研究でカオス力学系の性質を利用した新たな深層脳型学習手法を確立し、応用技術への展開を目指しています。

山口 裕 助教

  • 情報工学部 情報工学科
  • 工学研究科 情報工学専攻
  • 研究分野:知能情報学
関連科研費(科学研究助成事業)
  • 研究課題名:深層ニューラルネットワークにおけるカオス的ダイナミクスの解析と情報処理への応用 (2020-2022)

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TEL:092-606-0607(直通)
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