FIT 福岡工業大学大学院

研究紹介

2022年電気設備学会学生発表会で3名が受賞

2022年12月26日東京都の八王子市にて開催された「2022年(第4回)電気設備学会 学生発表会」において、修士課程 電気工学専攻の学生2名と電気工学科の学生1名の研究発表が評価され、優秀賞、準優秀賞を受賞しました。

優秀賞

修士課程 電気工学専攻1年 田島研究室 

『横方向磁束型固定子と2種類のコイルを用いたBLDCモータの改善』

世界規模でSDGsの取り組みが急務となっており、エネルギーを効率的に消費するための施策が打ち出されています。そのなかでもモータの高性能化は,効果的な施策として注目されており、モータの高性能化の指標として高出力密度化があります。出力密度を向上させるには定格回転速度を高く取ることが重要ですが、回転速度を増加させることで、鉄損の増加による熱的問題や高い逆起電力が問題となります。本研究では「横方向磁束型固定子構造」と2種類のコイルを用いたBLDC モータを提案しています。横方向磁束型固定子は,冷却のための通風路を有しており、2つのコイルを用いることで高回転への調整をおこなうことが可能となります。本構造は試験機による実験によりトルクや効率の低下が課題となっています。そのため本稿では固定子構造の改善を目的とし JMAGを用い試作モータの構造解析を行いました。

電気工学科4年 井上研究室(オンライン発表)

『切断方法の異なる希土類系高温超伝導線材における臨界電流のねじり依存性』

超伝導とは特定の物質を冷却することで電気抵抗がゼロになる現象です。電圧降下も起こらないため、発熱によるエネルギー損失がありません。一方、交流においては損失が生じます。交流損失を低減させるには線材のより線化及び細線化が有効です。テープ形状となっている高温超伝導線材においては、曲げ応力に対する耐性は広く調べられていますが、ねじりに対する超伝導特性の依存性については十分に調べられていません。そこで我々は、ねじり試験装置を導入し、超伝導線材の臨界電流のねじり角度依存性について調べました。また、細線化の手法としては、スリット刃による機械加工が一般的ですが、近年ではレーザーによる切断も行われています。今回は機械加工及びレーザー加工により細線化された希土類系高温超伝導(REBa2Cu3Oy : RE=Y, Gd, etc,REBCO)線材の臨界電流特性のねじり依存性について調べ、報告しました。

準優秀賞

修士課程 電気工学専攻2年 田島研究室 

『LPE法によるBi置換YIGを用いたスピン熱発電と強磁性共鳴特性について』

近年、身の回りの廃熱を利用して発電する熱電発電技術に注目が集まっています。本研究では、熱電発電技術の一つであるスピン熱電発電 (STE: spin thermoelectric)技術に着目しています。STE 発電素子は、強磁性体と常磁性金属膜層のシンプルな構造になっているため、従来の熱電素子よりも形状の自由度が高いです。しかし現状では発電効率が小さいという課題があります。
そこで、その効率を改善するために、フェリ磁性絶縁体膜としてビスマス置換磁性ガーネット (Bi:YIG) を使用しました。このフェリ磁性絶縁体膜は、膜面に対して垂直方向に大きな成長磁気異方性を示すことがわかっています 。液相エピタキシーにより、異なる量のBi置換を含むいくつかのFMIフィルムを準備しました。強磁性共鳴 (FMR) 測定を各フィルムで実行し、FMR スペクトルを観察しました。

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