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研究紹介

[生命環境化学専攻]松山 研究室 一般社団法人 資源・素材学会 九州支部 2024年度総会・春季例会・若手研究者および技術者の研究発表会 Presentation Award Kyushu, MMIJ 受賞

2024年5月24日(金)熊本県のくまもと県民交流館パレアにて開催された 一般社団法人資源・素材学会 九州支部『2024年度総会・春季例会・若手研究者および技術者の研究発表会』において、生命環境化学専攻2年松山研究室の学生2名の研究発表が最優秀と認められ、Presentation Award Kyushu,MMIJを受賞しました。

「超臨界二酸化炭素を用いた金属ナノ粒子/アモルファスMOF複合体の調製」
金属有機構造体(MOF; Metal-Organic Frameworks)は、有機配位子と金属イオンとの自己組織化によって形成される、規則正しいナノサイズの細孔を持つ多孔性結晶です。その高い比表面積やガス吸着特性から、ガスの貯蔵、分離、伝導性、触媒作用などが期待され、広く研究が行われています。
本研究では、超臨界二酸化炭素とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)の混合溶媒を反応溶媒として用いることで、簡便かつ最初からアモルファス化されているため構造欠陥を制御する必要のないamUiO-66の調製方法について検討しました。また、水熱法により調製される結晶性のMOFであるcryUiO-66と超臨界流体により調製したアモルファス状態のamUiO-66における物性や構造、触媒活性について比較・検討し、MOFのアモルファス化による担体としての優位性を検証しました1)

「超臨界活含浸法によるPdCuバイメタルナノ粒子触媒の調製と菌頭カップリング反応への応用」
フロー合成技術は、優れた熱および物質移動能力と正確な反応時間制御性能を有しているため従来のバッチ合成技術では困難または不可能であった多くの合成変換を実現し、有機合成化学に大きな利益を与えてきました。さらにフロー合成技術は連続生産可能により生産性、安全性、再現性の面で利点があり、世界的に注目を集めている合成手法です。現在、フロー合成技術は遷移金属の均一系および不均一系触媒を使用したクロスカップリング合成の成功例が確認されています。
本研究では、細孔構造を有する多孔質高分子微粒子を担持材に用いてCuおよびPdが固定化された低圧力損失の固定化触媒を超臨界二酸化炭素(scCO)による含浸法 2)にて調製し、フロー合成に適した固定化触媒の検討を行いました。scCOは臨界圧力・臨界温度以上に存在する流体のことで界面張力ゼロ、高い拡散性、溶解性という特徴を有しています。よって、多孔質高分子微粒子の内部まで触媒であるCu・Pdを凝集させることなく均一に含浸することができます。そして、調製した固定化触媒をヨードベンゼンとフェニルアセチレンの薗頭カップリング反応のフロー式反応試験により触媒活性および固定化触媒の安定性を評価しました。

参考文献
1) T. Matsuoka et al., ACS omega, 9(18), 20437(2024)
2) A. Shoji et al., J. Applied Polymer Sci., 140, e54347(2023)

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